電磁加速型および電熱加速型電気推進ロケットの開発(プラズマジェット)
電磁加速型および電熱加速型電気推進ロケットの開発を行っています。 プラズマジェットとは高温・高速のプラズマ流のことです。 プラズマの熱的な性質(電熱加速型)や,電磁気学的な性質(電磁加速型)を利用して 高速なプラズマ流を作り出します。 このプラズマ流は,宇宙空間における燃費の高い推進源として利用できます。 プラズマジェットの応用先には,人工衛星のロケットの軌道を制御する電気推進ロケットがありますが, その他にも物質加工用の熱流速源や核融合プラズマへの粒子補給源にも応用が検討されています。
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小型DD核融合中性子線源の開発(将来のがん治療など)
将来のがん治療用中性子源や非破壊検査用放射線源として,コンパクトな中性子源を開発しています。 我々が考案する中性子源は,リング型電極を用いた放電型中性子線源です。
この方式では、陰極と陽極間に数十kVの負の高電圧を印加することで、ガスをプラズマ化し、 発生した重水素イオンを陰極リング中心部に加速、収束させ,衝突させることでD-D反応を起こします。
これまで10^7個/s程度の中性子生成を確認しており、現在,中性子発生量の増加を目的とした研究を進めています。 現段階の中性子フルエンス率は50/cm^2/程度です.
がん治療用中性子源を目的にしてますが, その他,小型であることからコンクリート非破壊検査用可搬性中性子源や 半導体等の中性子照射実験など幅広く応用が可能であります.
D-D核融合反応では2.45MeVの単色の中性子線を発生することができる.
真空容器中心部に配置されたリング状の陰極と二つの陽極で構成されている.
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リング陰極への印可電圧を-40kV,放電電流が30mAとした条件において、 中性子フルエンス率は約250 cm-2・s-1であった.
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FPGAボードを利用した中性子線の弁別システムを構築している.
イオントラップを用いた荷電粒子の捕捉実験(量子工学実験)
イオントラップとは電磁場を用いて形成したポテンシャルの作用により、 荷電粒子を空間的に捕捉する装置の総称であります。 この技術により、荷電粒子と壁や他粒子との衝突を最小限に抑えることができるため、 周囲の擾乱が少ない状態の粒子閉じ込めが実現できます。 特に本実験では,線型RFイオントラップを用いて荷電粒子を空間に捕捉する研究を行っています。
大電流・低エネルギー電子ビーム源の開発(各種技術に応用可能)
ホローカソード放電の特徴は高いポテンシャル状態の電子が電極内に多数存在し、 電離回数が増すことで、高いプラズマ密度を維持できることであります。 本研究ではこの特徴を活かし,数A以上の大電流電子ビーム電流を パルス的に引出す電子ビーム源の開発を行っています.
プラズマ核融合研究
現在,我々人類が使用している石油や天然ガスなどの天然資源は,このまま使い続けると,そのすべてを使い切ってしまう 可能性があります.もしかしたら,車やテレビ、そして携帯電話などが使えない時代がくるかもしれません.
私たちは,次世代のエネルギー源として「核融合エネルギー」の研究を行なっています.核融合エネルギーは数億度の高温プラズマを 磁場によって安定に閉じ込めることにより,原子核と原子核を衝突させ,別の原子核に変化させることにより発生する原子力エネルギーです.
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装置パラメータ
Minor Radius: 0.1 m
Major Radius: 0.5 m
Double Shell (coper)
Plasma Current: < 100 kA
Pulse Length: < 1.8 ms
Electron Temperature: < 300 eV
Ion Temperature: < 500 eV
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RFPプラズマの放電波形.
トロイダル周回電圧を変化させるとダイナモ効果によりトロイダル磁場も変動することがわかる.
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自己磁場反転の実験結果.
周辺のトロイダル磁場の自己反転に伴い放電が安定化することがわかる.
カオスを用いた複雑系科学の解明(現在停滞中)
21世紀は「複雑系の科学」が重要になると言われています。 本研究室では特に振舞いが複雑に絡み合う現象に対してカオス的な解析を 応用しています。例えば、高温プラズマ内で生じる磁場・電場の揺らぎや、 人体内からの信号(脳波や脈波など)をカオス的に取り扱うことにより 複雑系科学の不思議を調べます。研究はデータ計測、 そのカオス的解析が主な仕事になります。残念ながら、RFPプラズマは低次元のカオスにはなっていないようです。
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キンク不安定性とダイナモ現象の基礎研究(計画中)